筑紫上野介広門は、大坂に上って、太閤に謁見した。
太閤、
「筑紫では我のことを、どう言っておる?」
 
上野介、
「西国においては、上様については、人ではなく神のように申しております。
また上様のようなお方を見出された信長公は、
なおさら霊妙な御知恵だと申しております。」
 
これを聞いた太閤は、
「その方の申すとおりである。しかし信長は片目であった。」
とおっしゃった。
 
上野介、
「信長公が、片目だとは聞いたことはありませんが。」
 
太閤、
「信長は片方の見えている方の眼では我のようなものを見出した。
しかし見えていない方の眼では、明智のような悪人を良い者として取り立てたのだ。
まさしく片目ではないか?」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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