土居清良☆ | げむおた街道をゆく

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天正二年、四国統一を目指す長宗我部元親は、三間大森の国人で、

西園寺家の家臣・土居清良の城・岡本城を攻めようとしていた。


土居清良は当時の土佐の国人としては珍しいくらいのインテリで、

農業書の著者としても知られているが三間大森は狭い小さな国であり、

土佐の一条の侵略から、いつもギリギリで国土を守っている有り様であった。

圧倒的に数に勝る長宗我部軍は、まず岡本城に忍びを放ち、城内の様子を探らせた。
「どうやら城内はみな前線に集中していて前線以外は手薄な様子。」
報告を受け、元親は本隊の進軍を止めると、夜を待って少数の精鋭部隊を岡本城に送った。
だてに四国を蹂躙してきたわけではない長宗我部軍の精鋭たちである。
その圧倒的力を前に、岡本城はあっという間に制圧されてしまうのだった。

岡本城が落ちたという報告を、清良は大森城で受ける。
深夜の闇の中、大森城からも岡本城の火が見えた。
家臣たちは当然慌てたが、清良は全く動じずに物見のものを呼ぶと、
「それで、長宗我部本隊は今はどこにいる?」
と聞いた。
「三間川の下流におるようです。」

「そうか、ならば着くのは明け方あたりか。

よし、出陣じゃ!

全員出るぞ、奴らがことだ、おそらく今岡本城内では祝いの宴の最中じゃろう。
本隊が到着する前に岡本城を取り戻す。
静かにやるぞ、気付かれぬように行け。」

元々地の利は土居軍にある。
清良たちは闇に紛れて岡本城に着くと、

祝い酒に酔いつぶれた長宗我部の兵たちを片っ端から討ち取った。
そして城を奪還した清良は長宗我部軍の旗を上げたまま、

夜が明けて長宗我部本隊が到着するのを待ち構えた。

やがて到着した長宗我部軍は、岡本城に長宗我部の旗が上がっているのを見て、
すっかり油断して近寄ってきた。


その時を待っていた清良は、自慢の鉄砲隊に命じる。
「撃てええ!」
数百の鉄砲が長宗我部軍を一斉に攻撃し、ほんの一刻も過ぎた頃には、

長宗我部軍は大壊走していた。
 

その様を大笑しながら眺め、清良は岡本城の旗を土居軍のものへと変えたのだった。
この戦いで家老・久武親信を討ち取られた元親は、怒り心頭で何度も三間を攻めたが、
約30回におよぶ戦いのうち、一度も清良に勝つことが出来なかった

元親を苦しめた土居清良の武名は当時よく知られ、小早川隆景をして、
「清良を5カ国の大将にすれば必ず天下を統一する。」
といわしめたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 長宗我部家臣団

 

 

 

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