臼杵刑部☆ | げむおた街道をゆく

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天正14年(1586)12月、戸次川の戦いで、大友家が敗れ、

いにその首都府内に、島津が乱入してきた時の事。

主君、大友義統を逃すため、音に聞こえた大友家の勇者達、

足立図書、吉良主水、小原平馬丞、
末武武蔵らは、追跡する島津軍に立ちはだかり、ことごとく討ち死にした。
 

しかしそのおかげで、大友義統たちはどうにか落ち延びる事ができた。

一息つくと、義統がにわかに、こんな事を言い出した。
「府内にわしの寵愛する女を残してきた!」

そしてそばに付き従っていた臼杵刑部に、
「そのほう、今から府内に立ち戻り、なんとしても天野又兵衛の娘を連れ出してくるのだ!」

臼杵はすぐに引き返し、敵のあふれる府内に侵入。

何度も危ない目に合い、二箇所も深傷を負いながら、
義統のいる高崎城まで、無事、女を連れ帰った。

大喜びの義統は、腰の太刀を抜くと、褒美として臼杵に与えようとした。
臼杵は突然立ち上がり、言った。

『阿呆かおのれは!』

「最近の戦いで戦功を立てたものは自分のほかにいくらでもいる!

なのに、その方々には何の恩賞もなく、

戦に何の役にも立たない女を連れ帰った私に褒美とは、どういうつもりだ!
そんなことだから、今このような恥辱にあっているのだ!
今日限りおぬしを、もう主君とは思わぬ!」

臼杵はそう言い捨てるなり、唖然とした顔の義統を背にし、堂々と出奔した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 不明懦弱、大友義統

 

 

 

ごきげんよう!