兼定の放蕩☆ | げむおた街道をゆく

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一条従三位権中納言兼定卿は、その頃、御諱を改められ康政と号せられた。

この卿は元来から性格が軽薄であり、常に放蕩を好まれ、人の嘲りも顧みず、

日夜酒宴・遊興に耽り、
男色女色しへつらいを受け、又は山河に漁猟を事とし、

軽業、相撲、異相の者に熱中し、
近習の輩とは主従の隔てがなく、

まるで親友同士のように肩を押し膝を組む有様であった。

ある時は男女を集めて踊りを踊らせ、その中に立ち交ざり、祭礼の場や説法の道場にも、
深編笠をかぶり頬かむりをして人々に交ざり、男に触り女にもたれかかり、

様々な戯れをされていたが、
人々がそのことを知らないとでも思われていたのだろうか、

外様の人々に向かっては、立ち振舞・行儀重々しく、
目を見返すことすらセず、軽々しく言葉もかけなかった。

鷹狩、巻狩などの折に、往来の旅人がそのことを知らず、

傘をかぶったまま、あるいは馬に乗ったままで通りすぎようとする者があれば、

奇怪であると鉄砲を撃ちかけ弓を射かけ、又は人を駆けさせその者を打擲させた。
無礼不義を許さぬと、僅かな罪であっても許すことがなく、

大小上下、心を安んずる時がなかった。

老臣である、土居、安並、羽生、為松といった人々は、

主君に不義があるのを見て諫言をしたものの、
これを受け入れることもなく、慢心のままに振舞われていた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 四万十川の戦い、一条兼定

 

 

 

ごきげんよう!