徳川家康が将軍になった頃、山名豊国という老人が家康に目通りした。
ところが彼は、古く、うらびれて、ところどころ継はぎすらある羽織を着て現れた。
家康の家臣たちは、
「なんと無礼な。」
と、豊国に注意しようとしたが、
家康はそれを止め、
「その羽織は何か由来があるのか?」
と聞いた。
すると豊国は、
「我が山名家において、将軍様に拝謁する時は、この羽織を置いて他にありません。
これは、足利12代将軍・義稙様より拝領したものです。」
その旧恩を忘れぬ姿勢に、家康もその左右の者達も、皆感心したとか。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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