関ヶ原☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

関ヶ原。

『内府様(家康)の軍勢を荒らせし者で、

明石掃部と薩摩の如く、甚だしい者は無かった。

その中でも明石掃部は退却せずして敵中に突入し、

自害するよりも敵の手にかかることを望み、
しだいに敵に追い詰められ、もはや逃れるすべのない事を知ると、

甲斐守(黒田長政)の軍隊に乱入して最後の血戦を試みんとした。

甲斐守は乱入してきたのが、その挙動、及び軍装によって、

掃部であることを知り、声高に下知を伝えた。

「おまえたち、彼を殺してはならない! 私が彼を生け捕りにする!」

この叫びに黒田軍は皆動きを止め、甲斐守は自ら明石の方に進み近づくと、

その頭に手をかけて抱擁し、涙を流して語りかけた。

「我が友よ! 我ら互いに敵となってここに見参することの苦しさよ。
勝ち誇る我軍によって敗れたと言っても、あなたの名誉は隠れ無いものである。」

これに明石、
「あなたが真の友ならば、その刀で今すぐに私を斬ってくれ!」
と答えたが、甲斐守はその言葉に従わず、

それどころか自分の馬を明石に与え、
それに騎らしめて戦場を脱出させ、敵の命を救った。』

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 天王寺・岡山の戦い、明石全登

 

 

 

ごきげんよう!