桑島某の家来☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある時、坂崎直盛が、同じ馬好き仲間の桑島某という者を見つけ挨拶をした。

その時の四方山の話をしているうちに、桑島はこんなことを言い出した。

「今、私の家来の中に、成敗したい者が一人いるのだが、この者身動きが俊敏で、
いざ成敗しようとすればそれに抵抗し、私や家来達にも多く被害が出るのでは、と思い、
私のような小身の身で、そのような被害を受けてはたまらないので、
我が本意は未だ遂げられずにいるのですよ。」

直盛、この話を目を輝かせて聞いた。

彼はこんな話が大好きだ。
何故ならそれが坂崎直盛だからだ。

「桑島殿!その家来を私の下によこしなさい!私が代わりにそ奴を成敗してくれよう!」
「え?」

直盛のテンションはどんどん上がる。
「よろしいな!いや、もしよろしくないなどと言うのなら、

今後あなたとは絶交させていただく!
さあ、よこすのか!?絶交いたすか!?」

「そ、そう言うことなら…。」
桑島、半ば強制的にこれに同意させられた。

さて、数日後の明け六つの時分、桑島から、かの家来が使者として、書状を持ってやってきた。
直盛、小姓一人を連れ、屋敷の門の外でこれに対面し、書状を開くと、

使者の方を見て、言った。

「この書状には、お前を成敗せよと書いてある。」

かの家来、それを聞くや否やすばやく逃げ出した。なるほど、言われた通り俊敏な男だ。
直盛、小姓より刀を受け取り、それを手に追いかける。

そして肩に手を負わせるが、
なだらかな坂になっている場所で両人とも転ぶ。
先に立ち上がったかの家来は、直盛に二箇所の手傷を負わせるが、直盛そこに踏み込み、
一刀で討ち取った。

大名自身による代理殺人と言う、いかにも坂崎直盛らしいといえば、らしいお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 千姫事件、坂崎直盛

 

 

 

ごきげんよう!