児玉就忠☆ | げむおた街道をゆく

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毛利輝元公の御意に、
「その家々が繁栄する時には、その影のように成って、

これを輔ける臣下が出来るものである。
ある時、元就公は御談合衆のうち、児玉就忠を召し出され、

諸方の国境地域の衆に音信を怠らないよう仰せに成った。

『境目の誰々には最近音無しであるので、使いの者を必ず遣わすよう考えているが、

その時は、彼の地域では珍しい物を音物として届けるよう支度しておくように。』

これに児玉就忠は、このように申し上げた。
『その事でありますが、かねてより御使者を遣わされる時のために、

私の方で差し回して、かの地方には無い物を2、3種類支度して置いてあります。

その品物はここに書いてありますので、

そこから仰せ付けに成って遣わしてください。』

そこで元就公はすぐに、その家々に相応の、

語り方や容姿の然るべき人物を選んで使いとして遣わした。
このようであったので東西南北いずれも存分となったと、

常々心安い者達へ御物語されていた。

相手が忝ないと思うようにと、いつも繰り返し仰せに成っていた。

それ故に、その方面に退治すべき勢力が出た時には、

彼らは山を越えて我等に人数を遣わし、我勝ちに馳走こそするが、

我等に対し通路を遮断するような事をする衆は居ない。

当然我等はそれぞれの地域の城々に油断なく手当をしているが、

普段より良い関係を構築しているからこそ、人々が心安く往来できるのだ。

古い書に、

『故得萬國之懽心、以事其先王。(あらゆる国の歓心を得ることが出来てはじめて、
亡き先王の祭祀を行うことが出来る。)』

とあるが、それに叶った話であろう。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 毛利家臣団

 

 

 

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