銘刀・荒身国行☆ | げむおた街道をゆく

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永禄9年。

武運つたなく、尼子義久は毛利に敗れた。
重臣らと共に毛利に下り、幽閉されることになったのだ。

義久は、尼子家家宝の銘刀・荒身国行(頼国行)を毛利から隠した。
国は取られても家は取られたくないと、必死だったのかも知れない。
 

しかし天正16年。

ついに刀の在処が発覚する。
輝元「家宝が欲しい。」
義久「何のことですかな。」
輝元「国行を隠し持ってるのを知っている。それを譲って欲しい。」
義久「な、なぜ今更。」
輝元「太閤に献上するのに、一番適しているのが国行だからだ。
   尼子の家宝というのも箔がつく。」
義久「そんな理由で…。」
輝元「譲って欲しい。幽閉されている義久には、刀は必要ないだろう。」
義久「……。わかりました。私を生かすも殺すも毛利次第。
   刃向かうことなど出来ません。お譲りいたします。
   その代わり、貴方に家宝を教えた者の名を、聞いてよろしいですかな。」
輝元「ふむ。家老の大西十兵衛だ。よい家臣をお持ちだな。」
義久(嫌みか)
 

義久は輝元に家宝を取られ、憤った。
懸命に隠してきた家宝が、家臣の告げ口で、
簡単に取り上げられたのだから、それも当然である。
 

しかも天下人への媚びとして使うのだから、悔しさはひとしおだ。
そして、義久は刀を握った。
乱心であるを理由に、尼子家家老である大西十兵衛を切り捨てたのである。
もちろん、本当に理由は輝元に家宝の存在を洩らしたことなのは、明白な事実だった。

ついに義久の幽閉は解かれる。
そして人質から客将へ立場が変わった。

そんなあるとき、義久は刀の件について知ることになる。
 

輝元「今だから言えるが、十兵衛が家宝のことを告げ口したのは、

義久のことを思ってのことなのだ。」
義久「どういう事ですか。」
輝元「家宝の在処を教えるから、そなたの幽閉を解いて欲しいと、

大西は私に掛け合ってきたのだ。」
義久は驚いた。
 

裏切られ続けた義久の人生にも、忠義の臣は居たのだ。
義久は十兵衛の忠義に感謝し、
その嫡孫・新四郎に大西家を継がせるとともに、大西家を手厚く遇するのだった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 芸州下向、尼子義久

 

 

 

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