豊臣秀吉は、吉川広家について曰く。
「広家は尋常の者ではない。
五万、三万の大将となっても不足はあるまい。
元春が最近、武威を振るっているのは当然であろう。
毛利元就は、吉川元春、小早川隆景を先鋒として西国に武威を震わし、
また元春は、元長、広家を先陣として敵を破った。
わしは弓箭においては、元就、元春の十倍であるが、
良将の器ある子を持つという点では劣っておる。
ああ、もし男子が三人おれば、一人に天下を譲り、
二人は関東と関西の鎮として置くのだがなあ。」
世の人もまた、
「たとえ隆景死すとも、広家がいる限り、
毛利の政道に邪法なく、弓箭も前代に劣ることはない。」
と語った。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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