腰は抜けても、先ず今日は☆ | げむおた街道をゆく

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大坂夏の陣の時、家康の軍勢が京より出陣する朝、

各々行粧を調え、御先手より段々に押し出す所、

板倉伊賀守(勝重)は長袴の裾を繰り上げ、家康の乗馬の、轡の水付きを取って、
 

「今日の御出陣は、是非に思し召し止まらせ給え。」
 

と、引き止めた。

これに家康は、甚だ機嫌を悪くし、

「臆れ者、それを放せ!」

そう叱りつけたが、板倉は重ねて、


「なるほど、臆れ申しました。腰は抜けていても、先ず今日は御滞留遊ばすべし!」
 

そうしきりに引き止め、遂に家康も出馬を思いとどまった。

その日、京都所司代は京市内で、火付けをしようとするなどした、

大坂与力の党類を、多く召し捕った。

これを伝えられ、家康の機嫌は直ったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 京都町奉行、板倉勝重

 

 

 

ごきげんよう!