関ヶ原の決戦場、筒井定次は、気もそぞろであった。
石田三成から、大和、伊賀の2カ国で誘われていたからであった。
前夜、主君の心中を聞かされた、家老の中坊飛騨守は驚愕した。
なにせ筒井家の軍は、東軍のど真ん中、最前線に布陣してしまっている。
動けないから、裏切ろうにも裏切りようがない。
が主君は思いつめた顔、何をしでかすかわかったものではない。
思いあぐねた中坊飛騨守、一番手近に布陣する西軍・宇喜多家の大軍に、
無謀にも千にも満たない手兵を率いて、しゃにむに突撃した。
案の定、さんざんに蹴散らされた。
が、これが幸いして筒井家は東軍として勝ち残ることができた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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