秀吉の四国征伐の際、阿波一宮に押し詰めた時、
私(渡辺了)は法度に背き、鉄砲の者の中に混じり、
城方の出丸一つが取り固められておらず、
その様子も敵は気がついていなかったので、この方より割り込み、
取り固めてこれに付き、ついに出丸二つが自焼し、
この勢は本丸へと撤退しました。
このような仕方を仕ったため、我が方にも負傷者が多数出ましたが、
戦闘自体は残る所無く成功したので、
私は処罰をも逃れました。
私のその時分の主人は羽柴秀勝殿で、歳は二十四、指物は鳥毛の棒でありました。
この仕方は銘々所々にて存じている面々が今も多くいるので、
御不審あらば、証人を連れて申させます。
大したことではありませんが、書き付けておきます。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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