大坂冬の陣のこと。
井伊家で物見に出ていた2名がにわかの大雨に合い、
ずぶ濡れになって帰ってきた。
それを聞いた井伊直孝は、自分が着ていた小袖2枚を脱いで、彼らに与えた。
さてそのすぐ後、安藤帯刀のところに井伊直孝から使いが来た。
その口上によると、
「わたしはこういう理由で、自分の用意していた着物を、
2枚共に家臣に与えてしまい、
着替える服を持っていません。
そんなわけで帯刀殿、着物を分けていただけないでしょうか?」
その後、家康の御前に、
安藤帯刀から贈られた小袖を着て出仕する直孝の姿が、
度々見かけられたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!