井伊直政の正室は、徳川家康の養女であった。
この女性、大変気の強い性格だった様で、
直政も頭が上がらなかったという。
そしてこの奥さんの侍女で、あこという娘がいたのだが、
直政は、この娘に手を出して妊娠させてしまった。
奥さんにバレたら大変とばかりに、
必死で隠蔽工作に励むも露見してしまった。
結局、直政はあこを追い出し、
生まれた子供にも、決して会おうとはしなかった。
その数年後、箕輪城の主となった直政のもとに、突然あこが現れ、
子供を引き取ってほしいと懇願した。
すると直政は、
「引き取るには、そなたの命を引き換えにしなければ、正室に申し訳が立たない。」
と答えた。
あこは、
「命は惜しくはない。」
と言うと、家臣に命じて自身を処刑させたと言う。
そして直政も、あことの約束を守り、
子供引き取って育てた。
この子供が後の井伊の赤牛こと、井伊直孝である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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