三郎(戸田勝隆)と甚右衛門(尾藤知宣)が、ともに狩に出かけたことがあった。
三郎は山鳥と兎を仕留めたが、甚右衛門は何も獲物が無かった。
がっかりした甚右衛門に、三郎が、
「獲物がなくば面目もたつまい。ならば釣りでもしよう。」
と誘い、帰り道の沢で餅を食いながら釣りを始めた。
すると今度は、甚右衛門は見事な鯉を二匹釣り上げたが、三郎は何も釣れなかった。
そこで、二人は兎と鯉を交換して帰った。
秀吉公が、まだ長浜城主だった頃の話である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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