成田道徳に、謀反の計画があるということで、豊臣秀吉は蒲生氏郷に命じて、
町野左近を討手として道徳を攻めさせた。
そして道徳の首を刎ね、京の一条戻り橋にて梟した。
その後、たまたま梟し場を通りかかった秀吉が、
台上の道徳の首級を見て、
「何者の首か、不浄なり。」
と糾問すると、
道徳の首級はカッと目を見開き、
今にも飛びかからんばかりに秀吉をにらみつけた。
秀吉は一瞬たじろぐも、
家臣の、
「成田弥左衛門尉道徳の首級にござりまする。」
の声に気を取り直し、
「成田弥左、勇者なり。豪の者なり。」
と、静かに呼びかけた。
すると、道徳の首級は静かに目を閉じ、円満な仏顔に変貌したという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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