障子を、閉めて来い☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

森蘭丸が、信長の小姓として仕え始めてから、暫くたったある日。
 

諸将が集まる中、信長が、

「障子を開け放ってきた。すぐに閉めてまいれ。」

と蘭丸に命じた。
 

蘭丸が障子を閉めに行くと障子は閉められていた。

そう、信長はあえて閉まっている障子を閉めてこいと命令することで、

蘭丸を試したのだ。

 

そこで蘭丸は、どうしたか。

障子を音がしないように開けると、音を立てて閉めて戻ったのである。
そして信長は満足そうに、

「どうだ、障子は開いていたであろう?」

と蘭丸に言った。

さて、その後、武将達が退席して信長と二人きりになると蘭丸は、
「いえ、障子は閉まっておりました。」
と改めて報告した。
 

「しかし、先ほど障子を閉めた音がしたが、あれは聞き間違いじゃないよな。」

と信長。
 

そこで蘭丸は、
「殿は皆に聞こえるように『いま障子を開け放してきた』と仰せられました。

私が閉まっておりましたと申し上げれば、

殿の間違いを周りの者に知らせることになります。

それで、わざと開けてから、皆に聞こえるように音を立てて閉め直したのです。」
信長は、この答えを聞いて大いに満足したという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 本能寺に散る、森蘭丸

 

 

 

ごきげんよう!