関ヶ原☆ | げむおた街道をゆく

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関ヶ原の戦いも、ほぼ東軍の勝利が確定的な情勢となった時のこと。
 

石田家家臣・蒲生真令(頼郷、かつての横山喜内)は、

武士として最期の意地を見せんとして、
残った味方を集めて東軍の部隊に突撃したが、
護衛も次々と倒され、いつしか真令の周りには護衛が一人もおらず、

馬も失い徒歩で戦場を彷徨っていた。
 

そうしている内に頼郷は、東軍方の織田有楽斎の姿を目にする。

真令、

「そこに居るのは織田有楽様ではございませぬか。

それがし、元蒲生家の家臣で横内喜内でございます。」

有楽斎にも分かるようにあえて昔の名乗りで語りかける真令。
 

有楽斎も横内喜内とは旧知の間柄である。

馬にも乗らず護衛も付けずに現れた真令の様子を見て、
有楽斎は油断してしまっていた。

有楽斎、

「おお、存じておるぞ。わしに会ったのが汝の幸せ。

わしが内府に命乞いやろう。付いて参れ。」

戦場慣れしていない有楽斎には、敗色濃厚な西軍の武将が、

ここまで単騎で突貫してきたという発想は、
全くなかったらしい。
 

勝手に真令が投降するものと勘違いして、家康への助命を頼んでやろうと言ったのだ。
真令はすとっぼけた事を言う有楽斎に笑いながらこう言葉を返した。

真令、

「ハハハ、信長公の弟君とは思えぬお言葉。命乞いする喜内とでも思ったか!」

そう言うとただちに抜刀して、馬に乗る有楽斎に横合いから斬りかかる真令。
まさかの不意打ちを受けた有楽斎であったが、

ここで幸運だったのはこの状況で、

体がスムーズに動いた事であった。

有楽斎「うわぁ!」

仰天し、とっさに体を真令の向かってる方の反対側へ倒した有楽斎であったが、

今は乗馬中である。
無理な体勢になった有楽斎はバランスを崩して落馬したのである。

ブンッ・・・!
真令(なん・・・だと・・・。)

還暦前の老人とは思えぬ反応で馬から滑り落ちた有楽斎の前に、

真令の刀は有楽斎の高股の部分をかすめただけに終わった。
 

しかも落馬した有楽斎に次の太刀を食らわせようにも、

有楽斎の馬が邪魔で斬れない。

 

すぐさま真令は、
有楽斎の家臣たちに囲まれてしまった。
 

もはやこまれでと覚悟を決めた真令。

寄ってきた有楽斎の家臣二人を斬り殺すが、多勢に無勢。
有楽斎家臣の千賀兄弟に取り押さえられてしまった。

千賀、「今です、有楽斎様!首をお取り下さい!」
 

有楽斎、「う、うむ・・・。」


こうして織田有楽斎は、負傷しながらも自らの手で、

蒲生真令の首を挙げるという武功を立てたのである。
 

この武功は他の東軍の将に、”有楽の武辺末の初物”とからかわれた、

が有楽斎も、ほとんど家臣のおかげで、
首を取ったようなものなので、

”老の似合わぬ事”と謙遜しきりであった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 有楽流を創始、織田長益

 

 

 

ごきげんよう!