波多瀬三郎☆ | げむおた街道をゆく

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天正4年(1576)11月25日、

伊勢では、織田信長・信雄親子による、

北畠具教ら、北畠一族への粛清事件が起こる。
 

これに翌天正5年、奈良興福寺にあった具教の弟・北畠具親は、

伊勢に帰国し、織田に対して反乱を起こす。
 

しかし間もなく制圧され、具親は逃亡。

与党の者たちも多くが捕らえられた。

さて、そんな反乱者に対する処分が続く中、

織田信雄の元に3人の捕縛者が引き立てられた。
 

六呂木某、山福某という者、そして波多瀬三郎という15歳の少年だった。
三人は処刑される事となっていた。

 

だが信雄は波多瀬少年を見るなり気が変わった。

 

それは波多瀬が、
『無双の若衆(美少年)』

だったからである。

 

信雄は即座に、少年の助命を命じた。

が、波多瀬三郎はこれに。
「私達三人は同罪です!

三人ともお助けくださると言うのなら、忝いと感謝いたしますが、
私だけが助かっては面目がたちません!

ですからどうぞ、殺して下さい!」

これを聞いた六呂木某、山福某は、逆に波多瀬を説得した。

「我らは既に老体であり、命は惜しくない。

しかしお前はそのような若年ではないか!
構うことはない!

お前は御意に従うが良い!」

「嫌です! そんなことは出来ません!」

波多瀬三郎は頑として、助命を受け入れなかった。
そこで信雄も致し方なく、三人を磔とした。

これによって波多瀬三郎は、

死後、見事な若者であると大いに名を上げた、とのことである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 能の名手、織田信雄

 

 

 

ごきげんよう!