妻の怪力に☆ | げむおた街道をゆく

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菊姫は、上杉景勝のもとに嫁いで間もないころ、夫婦で囲碁を打っていた。
対局の最中、景勝はまずい手を打ってしまった。
そこで盤面を見せろ見せないから始まって、夫婦げんかのようになったが、
やがて菊姫はキレた。
 

菊姫は重い碁盤の足を片手でつかむと、

そのまま左手だけで軽々と持ち上げて見せたのである。

景勝、「!」

景勝は妻の怪力に激しい恐怖をおぼえ、

それ以来夫婦の仲は疎遠になってしまったという。
 

菊姫は普段からこのような力を出したわけではなく、

この時は夫の態度につい力が入ってしまったのだろう。

それから時は流れ秀吉の時代。
 

伏見にいた菊姫は激しい揺れに襲われる。

慶長の伏見地震(1596年)である。
 

この時、菊姫は上杉屋敷の長局にいた。
地震で長局は倒れそうになり、周りの女中たちはパニックになった。
しかし菊姫は揺れる室内で立ち上がると、出口の梁をがっちりとつかんで、
中に向かって大声で叫んだ。

「女中ども、出よ! 出よ!」

驚異的な怪力だった。
女中たちが逃げる間、菊姫は鬼の形相で梁を支え続け、

全員が脱出したのを見届けると手を離した。
とたんに長局は倒壊。
この地震で上杉屋敷は他にも損害を受けたが、菊姫を含めけが人はいなかった。
 

この大力量に皆、

「さすがは武田信玄の娘だ!」

と賞賛と感嘆をおしまなかったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 才色兼備の賢夫人、菊姫

 

 

 

ごきげんよう!