科銭の壷☆ | げむおた街道をゆく

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徳川家康の有力な家臣である牧野康成の元に、

商人が茶壷を売り込みに来た。
 

商人曰く、これは大変に貴重な茶壷だという。

茶のことを良くわからぬ牧野、これに大金を払って買い取った。
が、後にこれは真っ赤な贋物と判明。

牧野はやすやすと大金を巻き上げられたのだ。

それを聞いた太閤秀吉。

牧野をその茶壷とともに呼び寄せた。

「こんな贋物をつかまされたのか! 

わしが見ても贋物だとわかるわ!

おぬしも馬鹿じゃのう。」

「はあ、まったく。馬鹿でございますなあ…。」

あまりにがっかりしている牧野を気の毒に思ったのか秀吉、
「よいよい。お主ほどの侍がこんなことで損をするのは、この太閤が許さない。」

と、茶壷の代金に加え、黄金一枚を添えて、牧野に下したのだ。
 

これを主君・家康に報告すると、家康も面白がって、

「なんと、贋の茶壷が金を産んだわ。」

そしてこの茶壷は、「科銭の壷」と呼ばれ、

天下に喧伝され、牧野家の家宝とされた。

贋物が、本当の銘物になってしまったお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 上田城攻め、牧野康成

 

 

 

ごきげんよう!