伏見城築城の祝いの後、豊臣秀吉は、
井伊直政、本多忠勝、榊原康政、平岩親吉に歳末の祝儀として、
密かに黄金を百枚ずつ与えた。
直政と忠勝は、そのまま黄金を拝受して、家康には告げなかった。
康政は、「どうしたらよいでしょう。」と家康に告げ、
家康は、「下し賜れた物は、受け取るものだ。」と言った。
そして親吉は黄金を受け取らず、
「臣は関東奉公の身にて、その禄を受け衣食は常に足りている。
今主君の賜り物を貪っておいて、受け取ることなどできはしない。」
と、黄金を使者に返し渡した。
このように私欲がなく正直な心の持ち主であったので、
家康は、親吉を信康や義直の後見として附けたのである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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