戦う道理☆ | げむおた街道をゆく

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大坂冬の陣の話。

 

加藤明成は、大坂が近くなると加賀山小左衛門を斥候に出した。
 

戻って来た小左衛門の報告によれば、
「この先に神崎川があるから河を渡って、対岸に陣を敷きましょう。」
ということであった。

 

しかし宿老の佃次郎兵衛と河村権七郎が反対した。
「冬の、しかも夜に河を渡ったら、兵士たちが凍えきってとても戦えない。
夜明けを待って、明日渡るべきでしょう。」

明成、「なるほど。もっともだ。」

明成は宿老の意見を取った。

 

しかし、それでも小左衛門は、意見を曲げなかった。
「天下を握る徳川家に味方しているのですから、勝負に拘っても仕方ありません。
また、後々のことを考える必要もないのです。
しかし、他家に遅れを取るのだけはいけません。

他家よりも先んじて戦うことだけを考えましょう。

遅れを取れば、軍が無事でも国が危ういのです。
天下の乱れた戦国の世と徳川の世では、もはや戦う道理が違います。」

「なるほど。」

小左衛門の考えに宿老も唸り、明成も小左衛門の意見を喜んで採用した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 加藤一分殿、加藤明成

 

 

 

ごきげんよう!