良将は、必ず軍を監督し☆ | げむおた街道をゆく

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上杉謙信が、自ら兵一万余りを率いて越中に入り、

柿崎和泉(景家)に命じて、別将を副えて辺塞を攻めさせた。

ここから引き取る時、敵将が出てきたためこれと戦った。
 

この時、柿崎の従兵である大川十郎は、左の腕を射抜かれたその矢も抜かず、

取った頸を掲げて柿崎の前に来た。

 

ところがこの時、柿崎は大川を怒鳴りつけた。
「お前は元より頸一つを取りかねるような者ではない!

どうしてこの程度のことを誉れとするのか。
お前はまた、矢一筋くらいで弱るような者ではない。

どうしてそんな事を勇だと思っているのか!
一歩でも進むべきところを、知らないのか!」
そう辱めた。

 

このため、この戦で士卒頸は斬捨てとなり、柿崎の軍は大いに奮戦した。

首級を置いて、闘撃を先とする時は、功名の先後が転倒してしまう恐れがある。

これは武士が怨みを含む端緒となる。

 

だからといって、ただこの恐れを無いようにした場合は、

戦いに集中すべき場所を引いて闘撃を止め、首級を貪ろうとする場合もある。

こちらは兵勢が挫かれる基となる。

これ故に、良将は必ず軍を監督し、これを正すのである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 上杉軍屈指の戦上手、柿崎景家

 

 

 

ごきげんよう!