親を殺した男☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

紀州熊野の山中に住む男が、自分の親を殺した。

 

この男は、
「あいつはいつもわがままばかり言うから殺した。
家中の者も皆困っていたのだ。

俺は何も悪い事はしていない。」

と悪びれる様子もなく、役人が親の尊さを説いても聞く耳を持たなかった。
 

これを知った徳川頼宣は、
「山中といっても、わしの城からそんなに遠いわけではない。
犬畜生でも親の尊さがわかるのに、

こんな者が出てきてしまったのは、
わしの政道が行き届いていないのだろう。

これは恥ずべき事だ。
このような者はすぐに処罰せずに、罪の重さを教えてやらねばならぬ。」

と言って儒学者の李海渓に命じて、男に孝経を説明させた。
 

それから3年後。

男はすっかり改心した。

男「孝経の教えがよくわかりました。一刻も早く処罰して下さい。」
頼宣「本人が罪を認めたのならば、法に従って処罰するほかあるまい。」

その後、頼宣は、
「父母に孝をつくし、法に従い、人には慎み深く、驕らず、仕事に励み、
正直な心を忘れないよう、いつも心掛けよ。」
と自ら書き、領内の人々全てに伝えるよう指示したという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 南龍公、徳川頼宣

 

 

 

ごきげんよう!