父の敵として、討ったなら大至孝☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

伊達陸奥守忠宗が、通行の途中、江戸城本丸の台所に詰めている、

新組の某という者が、伊達の先供の中を通り抜けようとした。

 

供の士は某を取り押さえて日比谷へ連れ帰り、成敗した。

新組頭はこれを聞いて大いに立腹し、老中の松平伊豆守(信綱)へ訴えると、
伊豆守が言うには、

「小家でも大名の通行は分かるものである。

ましてや、大家の伊達の通行は、二、三町先からも分かるものなのに、

先供の中を通り抜けようとするのは、一つ目のたわけである。

また、連れて行かれるからといって、伊達の屋敷までのさのさと行ったのは、
二つ目のたわけである。

 

また、結局は逃げられないことと察知して、

切り死にするべきなのに、むざむざと打ち首にされたのは、

三つ目のたわけである。

こんなたわけ者が御家人にいても御用に立つ者ではない。

だから生きていても益は無く、死んでも損は無い者である。

申し立てるには及ばない。」

とのことで、
訴え書を差し戻し、併せて、
「その者に倅どもがいて、伊達陸奥守を父の敵として討ったなら大至孝といえよう。
随分(できる限り。または大いに)狙うように申し聞かせなさい。」

と言ったそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 知恵伊豆、松平信綱

 

 

 

ごきげんよう!