坊主に、熱湯をかけられて☆ | げむおた街道をゆく

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将軍・家光が、狩から戻って、湯に入ったとき、

御湯殿坊主の久庵が、
誤って、熱湯をかけてしまいました。

 

一瞬、かっとなった家光は、
阿部豊後守忠秋を、召し出すと、

「久庵は、父子共に死罪にせよ。」

と命じた。
 

いったん退出した忠秋は、夜になって、家光の機嫌がよくなり、

談笑していると、近侍の者から聞くと、直ちに登城した。

 

「先刻のお話しでございますが、久庵父子の処置をいかがにするか、

私の記憶が、定かではありませぬので、改めておうかがいいたします。」


しばらく考えていた家光は、言った。

「粗相をした久庵は、八丈島への流刑とせよ。」と。
 

「阿部豊後守さまでも、御上意を失念されることがあるのだから、

我々にあっても不思議ではないな。」
 

近習たちの話を聞いた家光は、笑いながら言った。

「忠秋が、忘れるわけはあるまい。
天下の御政道の中で、死刑はとりわけ念入りにすべきである。

誠に行き届いた忠秋の配慮であり、予は実に恥じ入っておる。」
 

一同の者は、改めて、阿部老中への尊敬の念を厚くしたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 二世権現、徳川家光

 

 

 

ごきげんよう!