或る本に、相模守(大久保忠隣)改易の節、彼は子息に密かに申し遣わした。
『私が今後御意に違えた上は、如何様の罪科を仰せ付けられたとしても、
お前たちは上意を待たずに、逸って自害などしてはならない。
上明白であるのだから、実不実は後に顕れる。
お前たちの中から一人であっても、
召し出されて御奉公が仰せ付けられれば、その時に今の恥を雪ぐのだ。
もしお前たちが皆命を失ったなら、たとえ後々思し召し直される事があったとしても、
罪なき証拠も顕れず、
祖先の名を汚してしまうぞ。』
と教訓したという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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