将軍家には、相応しくない☆ | げむおた街道をゆく

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江戸城西丸御殿が完成した時、徳川家光はその内部を見学した。
すると偶然にも家光は、大久保彦左衛門と遭遇した。
 

普請の出来に満足していた家光は彦左衛門に言った。

家光「おう彦左、見ろよ上出来だろう。」
彦左「……。」
家光(むむ反応がないな。そうか彦左め、とうとう耳が遠くなったな。)

家光「おい彦左!上出来だな!上出来!」
彦左「まずまずですな。」

彦左は上出来とは言わなかった。

そう不満だったからである。
不満だったので彦左衛門は家光がいるのも構わず、

普請奉行の佐久間将監にクレームをつけた。

彦左「カニは甲に似せて穴を掘る、と言われますが、あなたの家なら、
この出来でもよろしい。ですが将軍家には相応しくないと思います。

まず鴨居が低い。兜を着けて通ることができないし、

槍をいちいち横にしないといけない。

それと厠が狭い。

有事には甲冑や太刀を着けたまま用を足すのですから、

もっと広くしなくては。

奉行なら合戦の事を考えるべきでしょう。

どうやらあなたは武事とは疎遠のようですな。」

将監「……。」
家光「……。」

家光は、将監が可哀想でいたたまれなくなり、足早にその場を去ったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 三河物語、大久保忠教

 

 

 

ごきげんよう!