宇治から幕府に茶を献上する時、その運搬途上は、
人々がこれを避けるのが例であった。
ある時に、大久保忠教(彦左衛門)は、
これの運搬中に出くわしてわざと避けなかった。
役人が忠教を叱ったところ、忠教は知らぬ振りをして、
「汝等は何する者ぞ?」
と問うので、役人は、
「これはお上の茶である。よって道をあけねばならない。」
と言った。
これに忠教は、
「茶がどうして人より貴いものか。まして私は役人ではないか。
よって、汝等の方から私のために道をあけたほうがよい。」
と、答えた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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