島原の乱が起こったとき、江戸城では旗本たちが、
討手の大将に誰が任命されるかについて、
黒田か、細川か、それとも有馬かとあちこちで話し合っていた。
そこへ現れた大久保彦左衛門、みんなの様をみて埒もないといった感じでこう述べた。
「そんなことわかりきったことではないか。各々方の推量はみんな大外れである。」
「では、ご老体は総大将はどなただといわれるのか。」
「考えるまでもない。春日局と南光坊天海である。」
予想外の答えに、びっくりした人たちが、
「これは異な事を、女子や坊主が何の戦の役に立つというのか。」
というと、彦左衛門。
「いやいやそうではない。
上様が、日ごろ春日局と南光坊天海を寵愛しているのは、
かかる大事に至ったときのためであろう。」
と答えたので、みんな彦左衛門の皮肉に気づき、
大笑いしたということである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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