小田原を領した大久保相模守家に、六股と称する名刀がある。
これは大久保忠世が、帯びていた備前長義の刀であり、
忠世はこれを、『老の杖』と名付けていた。
ある時、忠世の屋敷に、盗賊3人が忍び入ったことがあった。
これに気がついた忠世は、この長義の刀を抜いて、
その3人の高股を斬って落とした。
これにより、六股と呼ばれるようになったのである。
その後、この刀は、大久保家において無二の宝として伝えられ、藩士が誓言する際にも、
「長義の御刀もご照覧有れ。偽りは申さず!」
などと言うほどに、神霊ある重器として尊んだという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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