隠居した者の節度☆ | げむおた街道をゆく

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ある時、前田光高が、人事について、隠居した父・利常に相談した。

「この部署に空きができたのです。
それでこの名簿の誰かを後任にしようと思うので、

ご推薦をお願いします。」

「ふむ、見せてみなさい。」

利常は名簿を見ると、光高に名簿を返したのだが…。

「…父上、名簿が白紙なのですが。」

「ああ。」

「私は、ご推薦を頂きたいと申し上げたじゃありませんか!」

「光高よ、わしは隠居ぞ。

今の人事に口出しはできぬ。
…じゃがよく名簿を見ろ。

印がないかな?」

「え!?……あっ!」

そこには確かに利常がつけた爪の跡があったという。
隠居した者が、現場に口を出してはいけないとのこと。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 底の知れぬ人、前田利常

 

 

 

ごきげんよう!