年末、金の掴みとり☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある年の暮れのこと。

前田利常は、大量の一歩金を御文庫の蓋に入れ、

それを御前に置き、家中の者達が罷り出でた時に、
それを手でつかめるだけ掴ませて与え、家臣はそれを頂戴して退出した。

この時、家中の者達は、何れも片手を付いて、もう一方の片手で掴んでいたのだが、
細源太左衛門は罷り出でると、いきなり両手で一歩金を救い上げた。
 

これを見た利常は、
「おいおい、皆、片手で掴んでいるのに、それはどうなのだ?」

と声をかけると、細源太左衛門は、

「はっ!」

と一声返事し、両手ですくった一歩金を懐中に入れ、

また片手で掴んで頂戴し、退出した。

利常は、

「さてさて憎きやつ。」

と言われ大笑いし、非常にごきげんであったそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 底の知れぬ人、前田利常

 

 

 

ごきげんよう!