用心して付き合うべき☆ | げむおた街道をゆく

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寛永2年(1625)9月、相馬利胤が、父・義胤に先立ち、世を去った。

後を継ぐべき嫡男の虎之助は未だ六歳。

領内泉田村に隠居していた義胤は、孫を後見するため現役復帰。
まもなく八十に届こうという老体に鞭打って、再び働き続けた。

寛永6年5月、ようやく虎之助は元服。

手塩にかけて育てた孫に対し、義胤は己の名乗り『義胤』を譲り渡した。

元服後の初御目見えのため、老人と孫が江戸城に登城すると、

ちょうど伊達政宗が退出してくる所に出くわした。


駕籠に乗りかけていた政宗は、下馬して城内へと向かう相馬家一行を、

立ったまま何をする訳でもなく、見送った。

「あれで良いのだ。」
尊敬する祖父に対する政宗の態度に、

不満気な顔を浮かべたままの孫に向かって、義胤は声をかけた。

「我らは若い頃、仇敵同士であった。

武士たる者、仇敵に対して構えるのは当然のことだ。
今の若者も、日ごろ親しい人であっても、

気を抜かずに用心して付き合うべきなのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 筆無精の義胤、相馬義胤

 

 

 

ごきげんよう!