陸奥の南部氏領は、浄法寺塗に代表される漆の産地だった。
漆掻きが始まる頃、時の当主・南部利直は、
家臣の毛馬内三左衛門宛に宛てて書状を書いた。
『漆掻きに良い時期となったので、漆掻きの者たちを代官たちにつけて、
急ぎ派遣しなさい。
最近は(量を取ろうとして)漆を深く掻かせてしまい、木を枯らせてしまう。
枯れなかった木も傷んで、実がならなくなってしまう。
漆は一杯ニ杯少なくても良いから、木を枯らせないようにさせなさい、
そう毎年申し付け、
奉行にもそれを伝えているのに、奉行たちがそれを理解していない。
もし木が枯れたら、それは奉行の落ち度として処罰するから、
よく申し付け、厳重に取り締まるように。』
代官の悪い話の気もするけど、資源を大事にした利直のいい話ってことで。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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