齋藤内蔵助は、明智日向守殿が謀反の時に申したことは、
「この思し召しを、私は十が九で勝手な御振る舞いと思いません。
そうであるのであえて御諫言を申し上げません。」
と、血判を速やかにしたという。
そのうえ安土の城を受け取った後に、もはや落城に及ぼうとしましたとき、
敵の方へ信長公が御所持されていた道具を渡した後に城に火をかけた。
道具は世々の宝なので焼失すると残念だと、かのような乱の中で優しい武士であった。
これにつけても松永弾正が、平蜘蛛の釜を落城のときに割りましたことは、
甚だ賤しき志である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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