森家の一汁三菜☆ | げむおた街道をゆく

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天正11年12月から翌年2月間での間に、

森長可は、濃洲梶田の城主・斉藤玄蕃、安八郡の城主・稲葉一鉄、

郡上の遠藤大隈守、胤基左馬介慶隆、高山の金森長近などの城を攻めて、

これらを降し、いずれもその幕下に入れて領地を拡大した。
 

稲葉一鉄が金山へ挨拶に来たところ、長可は大変喜んで、
三汁十菜以上の御馳走を作りもてなそうとしたところ、

一鉄はこれを見て次の間へ立って行き、一汁三菜にしてくれといい、
林新右衛門と各務清右衛門の両名に向かって言うには、

「長可様はまだお若いのだから、方々方はよくよく気を配って御奉公を願いたい。

みんな大名のことゆえ、御料理のことなどについて、

好き嫌いをいうはずはないが、このたび美濃の面々が沢山御旗下になって、

これから追々御挨拶に来ることと思う。
そのときに金山は山の中ゆえ、いつも肴があるわけではなく、
このような御馳走をしようと思っても出来ないこともある。
すると稲葉一鉄が初めて伺候した時の料理と、

後から来たものの料理とが違うとあっては、差別待遇したこととなって、

不快の念を持つようになり、長可様の御為によくないと思う。
御旗下になった以上は、必ず御家のために働くから、

決して御心遣いをせられぬよう願いたい。」

 

といった。

これ以来、何人が来ようとも、森家においては一汁三菜の外は、

決して御馳走せぬようにと、林、各務両名へ申しつけたと言う。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 頑固一徹、稲葉一鉄

 

 

 

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