永禄三年十二月、
十河民部大輔一存と松永久秀はその仲悪しく、常に不快を現していた。
その頃、十河は病を煩い有馬温泉へと湯治に向かったが、この時、松永は意見申した。
「有馬温泉の権現は葦毛馬を御咎めある神であり、その馬は用いるべきではない。」
しかし十河は松永の申すことを用いず、また松永も十河の言うことを背ける間柄であり、
この時も十河はこれを聞かず、葦毛の馬に乗り湯治のため山を登ったが、
案の如く落馬してたちまち死去したのは不思議な事である。
命運尽きるとは言いながら、あえなき事である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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