冬康の仁徳は☆ | げむおた街道をゆく

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永禄の初めに、三好長慶は老衰に及び、天下の政務を左京大夫義継に譲って、
中の島に隠居する。

 

安宅冬康は、その老衰し給うことを悲嘆し、

保養のことを諌められた。

 

ある年の10月に、淡州より摂州中の島へ松虫籠を送られた。

「夏虫は弱きものですが、よく養う時には寒中まで生きています。

人は四季を送り寿命長きものですから、

よく養えば長命になるでしょう。」

と諌められると、長慶も感悦なされたと聞く。

 

忠と言うべし。

冬康の仁徳は民間の話題に残ることが多い。

乱世に生まれて鋒を携え、暇なき中で書を離さず、

和漢の故実を試みて道義を守り給うことは世に珍しき人才である。

天下は乱世にして人民は利を争って道を失い、

虎狼の業をなすことを憂いて読んだ歌がある。


「往古を誌せる文の蹟も悚し さらすは下たる世とは知らまし」
 

(古を記せる文の後もうし さらずばくだる世ともしらじを)


まことに感心をなすべき言詞である。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 国家を懐くべき仁将、安宅冬康

 

 

 

ごきげんよう!