出迎えた家臣を見て☆ | げむおた街道をゆく

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浅野長政が、城に帰ってくるのを、家中一同が出迎えた。
その中の200石取りの侍10人が持馬を引いているのを見た長政は、
「彼らは200石ではないのか?」

と家老に尋ねた。

「左様でございます。みな普段から武備に心を配り、

持馬を連れて参上したのであります。」

と家老が言うと、どうした事か長政はご立腹であった。

その後、長政は先の10人を呼び出し、
「人は貴賎に関わらず父母兄弟を、歳を取ったら妻子を養い、

もしもの蓄えをしなければならない。

だから300石以上の者は自前の馬を持ち、
それ以下は主人が馬を貸して、いざという時に働かせるのが慣わしだ。

それをお前たちは考えの浅いことに、武備を心がけてますよと、

わしに馬を見せつけたのじゃ!

わしは誠実な人間が好きで、こうして媚びる者は嫌いだ。
なぜなら、分をわきまえない者は父母兄弟の養育を怠け、

妻子の持ちどきが分からない者であり、忠孝に欠けるからじゃ。

それは人の吉凶に当たり前のつけとどけもできないとか、

借りた物を返さないとか世間の義理を欠く事に繋がるのだ!」

と、長~い説教をした。

しばらくすると長政は、
「どうもお前たちは馬が好きらしい。

馬を欲しかったのだろうが、身の程をわきまえなければ人の道を外れることもある。

武備を好むのは武士として良い事であるが限度は考えなければいけない。

これからは節度を守って真の武備を怠るな。」

と戒めると、侍たちを50石加増したという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 古狐が殿下に、浅野長政

 

 

 

ごきげんよう!