加藤吉成の知謀☆ | げむおた街道をゆく

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朝鮮の陣での、ある城を攻めた時のこと。


日本の諸将が数日これを攻めたが、敵も堅固に持ちこたえなかなか落ちなかったため、
日本軍は攻め口を退き遠攻めにした。

この時、小西摂津守行長の家臣である加藤内匠(吉成)が申し上げた。

「この城を数日間大軍で攻めましたが、寄せ手が討たれるばかりで城は落ちず、

遠攻めと成りました。
ですが私の考えでは、今夜夜討を仕掛ければ、必ず乗っ取ることが出来ます。

なぜなら敵は、我々が夜攻めをするとは全く考えていないからです。

間違いなくここ数日の対陣に困窮し、遠攻めのため退いたことに油断しています。

ですので、先ず忍びの者を遣わされ、敵の様子を究明することが宜しいでしょう。」

小西も尤もだと同意したため、加藤内匠は忍びの者に加え、

家来で物慣れている清水角兵衛とい者を相添えて偵察に遣わした所、

両人罷り帰り、揃って敵が油断している様子を語った。

そこで小西軍は軍勢を二手に分け密かに押し寄せた。

この時加藤内匠は搦手を攻める別働隊に下知した。


「大手より鬨の声を上げて攻めれば、敵は尽く大手に集まるであろう。

その時、別働隊は搦手より進入するように。」

そして大手で時の声を上げると、

案の定敵は夜討が行われるとは思いもよらず殊の外混乱した。
大手攻めの軍は斧で門を打ち破ろうとし、また鉄砲も厳しく撃たせたので、

敵は皆大手に集まり、
搦手には守兵がいなくなった。

よって搦手の軍はやすやすと城内に侵入し、加藤内匠も入った。

諸勢も尽く攻め入り、敵を数多討ち取った。
小西行長からは日本軍の諸将と示し合わせもなく、

ただ小西の一微を以って尽く乗っ取ったこと、
偏に加藤内匠知謀によるものであった。

この時の鉄砲の音、時の声に驚き、他の日本軍の諸将は追々この城に乗り入れた。
しかし他の日本軍にとってもこれは思いもよらぬことであったので、

夜が明けてみると、鎧を着る暇もなく、
素肌(鎧を着ていない平装の状態)の者が多かったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 泉州堺の人、小西行長

 

 

 

ごきげんよう!