荒木は思わず計らず、信長の敵と☆ | げむおた街道をゆく

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天正6年の秋の頃より、摂津国有岡方面では雑説が流れ、

しきりにこの方面の者達が、織田信長の敵に成るとの風聞が聞こえた。

 

それはあってはならないことであると、
信長より織田政権の歴々が差し下され調査が行われるということで、

荒木信濃守(村重)にも雑説があったため、

彼は茨木城まで移動し、そこから安土へと向かおうとしたところ、
茨木城の守備を担当していた中川瀬兵衛(清秀)がこのように諫言をした。

「絶対に安土に行くべきではありません。

安土に置いて切腹させられるよりも、摂津国表へ軍勢を引き請けるべきです。

合戦に及んだとしても、手に溜めず切り崩せるのに、

安土に置いて犬死するなど、沙汰の限りです。」

そう申し留めたため、荒木は有岡に立ち返り、

思わず計らず、信長の敵となってしまった。

この時、荒木は、国中の年寄共を集めて談合に及んだのだが、

皆も中川瀬兵衛が申す所に同心した。
 

その中で、高槻城守であり、高山飛騨守の息子である高山右近だけは、
「言語道断である!

荒木摂津守の普段の覚悟と相違した、曲事の仔細である!
信長の御芳志のかたじけなさを、たった今忘れ去り御敵申し上げるなど、
沙汰の限りである!」

そう、一人反対したが、彼以外は尽く中川の意見に同心し、

高山の意見には同意しなかった。
ために是非に及ばず、高山も最後には摂津国衆の総意に同心した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 摂津守の謀反、荒木村重

 

 

 

ごきげんよう!