光源院(足利義輝)殿が、京都四条の道場に陣をとっておられた時、
番の僧が夜九つの太鼓を寝ぼけて、七つの時に打ってしまった。
後で公方から御使いがあってその番の僧が呼ばれた。
きっと折檻に及ぶに違いないとぶるぶると参上すると、
様子をお尋ねになられたので、
「そうでございます。深く眠っていて、
目覚めると仰天してしまったためです。」
と、ありのままに申し上げると、思いのほかご機嫌が良く、
「此の寺の時の太鼓は 磯の波 おきしたいにそ うつといふなる」
と遊ばされ、僧には銭を与えられた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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