信長が酒宴の時に、朝倉義景、浅井父子の髑髏を出して盃にしたという話は、
よく知られている。
この時の信長は、すこぶる機嫌がよく、
「お前達の尽力に報いるため、このような肴(髑髏)を用意した。
わしはこの上ない喜びを感じておる。」
と言って家臣達に褒美を与えたという。
その席には佐々成政がいた。
酒宴が終わると彼は信長に言った。
「後漢書に『王者四海をもって家とし、万民をもって子とす。
天万民を生じ、君を立ててこれを養う。君道を得るすなわち、
人これをいただくこと父母の如く、これを仰ぐこと日月の如し』
とあります。
上様に従わない国があるのは、上様の不徳ゆえとお考え下さい。
ご自身の良くないところは省みなくてはなりません。」
これを聞いた信長は成政の手を引いた。
まさか手討ちに!?
いやいや、そうではない。
成政の換言に感じいった信長は、
別の部屋で政治について語り合ったのである。
この事について、
信長の側近・武井夕庵は、
成政の教養はたいしたものだと感銘を受けたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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