彼の手には、その武名に相応しい獲物が存在していた。
その名も、”人間無骨”。
関の刀鍛冶、和泉守兼定の作、十文字槍。
この槍を立てて長可が、敵を突き刺したら十文字の部分を突き抜け、
石突の部分まで達してしまったと言う恐るべき切れ味を持つと言う。
この槍の前では人間なんぞ骨のない肉塊のように貫かれるだろう、
と言う事から、この名を名付けられた。
もっとも、いかに優れた槍であっても、そんな所業が出来るのは鬼武蔵だけだろうが。
長島での初陣の27人斬りの時も、この槍を片手に暴れまわっていたと言う。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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