筑前殿は、城介様に恋慕故☆ | げむおた街道をゆく

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柴田殿(勝家)の三七殿(織田信孝)を天下の主に取り立てたいとの思案は、

柴田殿が三七殿の具足始を致された故と聞いている。

この御契約故、後に柴田殿と三七殿は御懇意になられたと聞く。

秀吉は、城介殿(織田信忠)と御懇意であられたと聞いている。

その子細は、城介殿が御若衆の時に御公家衆などは、城介殿に御恋慕なさった。

これを城介殿は御難しく思し召され、その御様子を秀吉は見及びなさると、

「それならば、私に御目を掛けなさっていると世間に御披露なさいませ。

そうすれば御気難しきこともございますまい。

その上で私も本心から御難しきことは申し上げませぬ。

その他のことも、その通りになさるのがよろしいでしょう。」

と申し上げられた。

信忠様はこれをもっともだと思し召されたということなのか、

秀吉と御知音のように世間で成り行き、

ますます後々も御目を掛ける振る舞いをなされたという事である。

信長殿が御妹婿の浅井殿を御成敗なされて、

内々にその後家をどうするかと思し召されていたところ、
三七殿は、「柴田に遣されますように」と仰せ上げられた。

 

また城介殿は、「筑前守に遣されますように。」
と仰せ上げられた。

そんな折に朝倉を御追罰なされ、

その諸職一円を柴田に遣されて柴田は殊の外大名となられた。

その時に三七殿は、

「ただ柴田に遣しなさいませ。柴田が大名にもなられた以上は、

御兄弟となられましても苦しからぬことでしょう。」

と仰せ上げられ、信長殿も「もっともだ。」との仰せで柴田に遣しなさった。

この由緒故に三七殿を柴田は引き立てなさり、筑前守殿は城介様に恋慕故、

その因みをもって吉法師様を取り立てたいと思し召し、

互いに数奇の争いとなったと承り候事。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 幼名・奇妙丸、織田信忠

 

 

 

ごきげんよう!