塙団右衛門の意地☆ | げむおた街道をゆく

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加藤嘉明に仕官した塙団右衛門は、足軽大将に取り立てられたが、軽率な采配のせいで、
「貴様は勇気ばかりで戦場の駆け引きを全く知らぬ。

貴様を取り立てたのは誤りだったわ!」

と嘉明に罵倒された。
 

団右衛門は嘉明の罵倒に恨みを抱き、加藤家を退転した。
 

そして、嘉明の妨害によって乞食にまで身を落とした団右衛門であったが、

豊臣秀頼の招きに応じ大坂城に入城した。

冬の陣において団右衛門は、

大将として床几に腰かけ采配を振って夜襲をかけるなど活躍し、

道々には、「夜討ちの大将塙団右衛門」と書かれた木札を多数ばらまき、

団右衛門の勇名は一躍東軍にも轟いた。

冬の陣の後、豊臣・徳川間で和睦が成立し、

団右衛門は持ち場であった今福に、

「塙団右衛門」と大書した長さ2尺の木札を立てさせた。
 

怪しんだ家来が理由を聞くと、
「嘉明の野郎は、このワシを討ち取ると意気込んでいるそうじゃ。

だから、ワシの居所を、こうやって教えてやるのよ。」

と平然とうそぶいた。

そして、団右衛門の木札を見てその健在ぶりを知った東軍の旧友が、

続々と団右衛門を訪ねてきたが、なぜか格別仲のよかった林だけは訪ねてこない。
 

団右衛門は人づてに林に遊びにくるように言ったが、林はこう言ってきっぱり断った。
「オレと貴様はいかに出世しようとも、戦になれば槍をとって先頭で戦う、

それが本当の武士の姿だ、と誓ったな。
しかし、貴様は冬の陣の夜討ちの際には床几にふんぞり返って、

采配をチャラチャラと振っていただけというではないか。

誓いを破った団右衛門のツラなど見たくもないわ!」

それを聞いた団右衛門は笑いながらこう言った。
「林の言う通りじゃ。しかし、かつてワシは嘉明に『大将の器量がない』とコケにされた。

だから、
一度は采配を振って兵を自在に操れることを嘉明めに見せつけたかったのじゃ。
その念願は冬の陣で果たしたので、

次の合戦には槍刀の折れるまで存分に働いてみせようぞ!」

果たして、大坂夏の陣での樫井の合戦では大野主馬に采配を預け、

団右衛門は自ら十文字の槍を振って先陣に立ち、壮絶な戦死を遂げたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 沈勇の士、加藤嘉明

 

 

 

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