信君は、大いに腹を立て☆ | げむおた街道をゆく

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長篠の合戦が敗勢になり、

勝頼は、「討ち死にすべし。」と言って、

少しも退却するそぶりを見せなかった。

 

そんなところに穴山信君がやってきて、「早く退却されてください。」と進言した。
 

勝頼はまったく聞き入れなかった。

 

すると信君は大いに腹を立て、

「日頃からわがままで、家老の言うことを聞き入れないが為に、

いまこのような状況になっているのです。

この上でも聞き届けないなら、覚悟のないことだ。」

と言って刀に手をかけたが、それでも勝頼は聞く耳を持たなかった。
 

そこで初鹿野伝右衛門が両人の間に入って刀に手をかけ、信君に悪口を吐いた。
 

信君が話すには、

「伝右衛門はそういうが、なんとしても勝頼様を退却させたいからこそ申しているのだ。

早く馬にお乗せしろ!」
 

さすがに伝右衛門もかしこまり、

「信君様の申しようはごもっともです。いまのご無礼はお許しください。」

と言って、「小姓ども、それそれ!」と言い、馬に勝頼を抱いて乗せた。
 

勝頼は、「そうであれば仕方ない、力のないことだ。馬に乗ろう。」と話し、

それより押し太鼓を鳴らし、整然と退却していった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 裏切りの代償、穴山信君

 

 

 

ごきげんよう!